生産技術職とは?そんな疑問にお答えします。

「生産技術」って言葉は聞いたことはある気がするけど、いまいち何するのかイメージできない。そんなあなたに生産技術とは?求められるスキルは?をわかりやすく解説します。

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Chan-NOB
Chan-NOB
この記事を書いた人
  • 10年間生産技術エンジニア職に従事
  • 開発業務から現場立ち上げまで幅広い業務を経験
  • 現在装置立ち上げ真っ只中(5ヶ月目突入)

生産技術って何?その仕事内容は?

まずはじめに、Wikipediaで「生産技術」を調べてみると、

生産技術(せいさんぎじゅつ、: production technology, : industrial technology)とは、工業製品など具体的に「もの」を作っていく際に、設計する工程(計画)と、それに従い実際に「もの」を作り出す工程(生産)をつなぎ、いかにして品質高く、作りやすく、効率的に生産するか、という方法を工程として設計する技術を指す[1][2]

Wikipediaより引用

と出てきます。
なかなかわかりづらいのですが、一言で伝えるとすると「モノづくり現場の総監督」とでも言えるのではないでしょうか。

メーカーは自社の製品(モノ)を売ることで利益をあげています。
モノが作れないと、どんなに素晴らしい製品を開発したとしても1銭も儲かりません。
メーカーにとってモノづくり現場というのは企業活動の生命線と言っても過言ではないのです。
そして、そんなモノづくり現場を総括しているのが生産技術なのです。

生産技術エンジニアの主な業務を以下に示します。

①新生産システムの構想検討

メーカーであれば新しい製品が日々生み出されます。
それら新製品を実際にモノとして世に送り出すために生産システムを構築するのです。
「人手で組み立てるのか?」「生産装置を開発するのか?」「人手+生産装置とするのか?」など、製品を組み立てるのに最も適した形態を考え、生産システム全体の構想を検討します。

ここで最も重要なのは「どの形態で生産すれば一番儲かるか?」を考えることです。
例えばあなたは、テレビを生産する生産装置の生産技術エンジニアとして活躍しているとします。
2019年の国内テレビ出荷台数は約500万台です。
実際にはありえませんが、全てのテレビを1社が作っているとします。
あなたは、新しい生産装置を開発すれば10万円のテレビの原価を100円下げることが可能になる素晴らしいアイディアを思いつきました。
人手組み立てでそれは実現不可能であるため、会社は生産装置を新たに開発することを決断し、あなたはそれを完璧に実現しました。
すると、これまでに比べて会社は年間で「(500万台×10万円)ー(500万台×9万9900円)」=5億円も多く儲けることが可能となるのです。
この例のように実際に原価を100円下げることは決して簡単ではありませんが、あなたのアイディア・頑張りによって大きく目に見えて会社に貢献できるのは生産技術エンジニアの魅力のひとつであると言えます。

②装置開発・設計

多くの生産技術エンジニアはこの領域に関わっていると思います。
(現在、僕の主業務はこちらです)
①で「生産装置を開発する」と決まった後に、実際にそれを実現する仕事です。
生産装置が開発完了するまでには、様々なことを検討する必要があります。
 ・どのように製品を組み立てるか組み立てプロセスを考える
  (検証実験機などを用いて組み立て実験検証も行う)
 ・組み立てプロセスを実現するための機械的機構を考える / 装置として設計する
 ・機械的機構を動かすための電気的機構を考える / 装置として設計する
 ・生産装置を動作させるための制御プログラムを設計する
 ・生産装置を障害解析 / 傾向管理するための仕組みを設計する

大雑把に書いてもこれだけありす。ものすごくやることが多いです。
専門分野も多岐に渡ります。
実際に僕と一緒に働いている方たちの分野も「機械・電気・電子・情報・物理・化学」といった多くの理系分野のみなさまが揃っています。
おそらく理系出身の方であれば、どんな分野出身であってもそれに即した仕事を割り当てることができると思います。
なので、転職を考えている方は生産技術エンジニアはいかがでしょうか?
きっと前職の経験を活かせる仕事がありますよ。
記事がめちゃくちゃ長くなってしまうので、上の各項目の詳しい内容については後々別記事としてUPしようと思っています。

※ちなみに、僕の昔の課長さんは教育学部出身でした。文系分野からでも転身できちゃいます。社会人は気合と根性と愛嬌でどうにかなります!

③生産装置の立ち上げ

生産技術エンジニアの仕事は、生産装置を開発するだけでは終わりません。
それを実際に稼働させなければなりません。

②で開発した装置を実際に工場へ搬入し、生産装置として稼働させるのです。
僕も何度も経験していますが、まぁすんなり立ち上がりません。
装置規模が大きくなればなるほど問題が多く発生します。
例えばプログラマの方はイメージしやすいと思うのですが、チームメンバが各々書いて持ち寄ったプログラムをマージして動作させると、いたる所でバグが発生しますよね?
それと同じで、特に生産装置は様々な分野の人が各々作った成果物を結合して出来上がるものなので、一筋縄では立ち上がらないのです。
(もちろん事前に仕様すり合わせを納得いくまで行っているにも関わらずそうなります…)

そんな装置立ち上げですが、最も重要なのは「生産計画を遵守する」ことです。
先ほども述べたように、メーカーはモノを売ってナンボの商売ですから、モノが作れない状況はあり得ません。
そのため、何よりも優先されるのは装置稼働開始日の遵守なのです。
この日に間に合わせるために我々は一丸となって全力で取り組まなければならないのです。
立ち上げについても後々細かい記事にしてお伝えする予定です。

※2020年3月(本記事執筆時)、僕は絶賛装置立ち上げ中です。
 去年の11月から月〜金はずっと出張です。
 そろそろ丸5ヶ月が立とうとしており、ようやく立ち上げ完了が見えてきました。

生産技術エンジニアに求められるスキルとは

前述の通り、生産技術エンジニアには様々な分野の方がいらっしゃいます。
基本的に理系出身の方であれば必ず活かせるスキルを持っていると思います。
例えばChan-NOBの会社では概ね以下の振り分けがされています。
  機械系  ・・・生産装置の機械設計
  電気電子系・・・生産装置の電気回路設計 / 制御プログラム設計(ラダー)
  情報系  ・・・生産装置の制御プログラム設計(ラダー / その他制御プログラム)
  物理系  ・・・物理現象分析(振動や衝撃などが及ぼす装置 / 製品への影響分析)
  化学系  ・・・化学分析(装置で用いる薬品が及ぼす製品への影響分析)

もちろん機械系出身で情報系の仕事をされている方もいますし、上記以外にも知的財産(特許)関連の仕事をされている方や品質保証関連の仕事をされている方もいます。
(特許や品質保証もすごく重要です。後々記事UPします)

このように、何か知識・スキルがあれば必ず役立てられる仕事が生産技術エンジニアにはあります。
なので就職・転職を考えている方は気後れせずにどんどん挑戦していただければ思います。

そんな中、僕には生産技術エンジニアに備わっていていると有利だと思うスキルがあります。
それは以下の3つです。

  1. コミュニケーション力
  2. 判断力
  3. カイゼン力

なんだかどの就活本にも書いてありそうなスキルになってしまいましたが、本当に重要なのです。
前述しているように、生産技術エンジニアというのは、実に様々な方達と仕事を行います。
他分野の装置開発エンジニアだけではなく、製品の開発部門や工場の製造部門などとも密に関わりを持つこととなります。
僕はこれまで10年生産技術エンジニアとして働いてきましたが、異なる領域を繋ぐパイプ役をこなせる人材がとても少ないと感じます。
「コミュニケーション力 = 他人と話ができる力」ではありません。
相手の伝えたいことをちゃんと理解・確認ができて、尚且つ自分の伝えたいことをしっかりと相手に伝えられ、それが成果物となるまでフォローする力が本当のコミュニケーション力なのだと思います。
それがちゃんとできない方が多い(もちろん僕自身も)ため、どんなに密に仕様打ち合わせを行ってもしょうもないバグが出てきてしまうのだと考えています。
「異業種の人とうまく何かをやり遂げた」経験を持っている方は生産技術エンジニアに向いているのではないでしょうか?

前述の通り、装置立ち上げは日程厳守です。
1日たりとも遅延することは許されません。
そのためにみんな死に物狂いで頑張ります。
しかし、現実は非情です。必ずトラブルは起こりますし、日程内には満額回答できない問題も起こってしまうのです。
その時に、様々なことを天秤にかけ、一番良いと思われる選択を迫られるのです。
切羽詰まった状況で今一番良い解決法を考え、判断できる力が必要なのです。

生産装置は生き物です。日々状態が変わります。
昨日まで通常に稼働していたのに今日いきなり異常が頻発しているという状況がよくあります。
その時には、現状を分析し、生産装置をあるべき姿にするためのカイゼンを行わなければならないのです。
分析が好き」「現状に満足せずに常に挑戦する」という方は生産技術エンジニアに向いていると言えます。

最後に

今回は僕の仕事である生産技術エンジニアについて書きました。
まだまだ細かいところまで書ききれていません。
これからどんどん記事を執筆していきますので、是非ご覧になっていただけると嬉しいです!

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